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学生の質問が、いつも似た内容になるのはなぜか

2026/08/10 (月)


​仕事を知らない学生が、聞きたいことを言葉にできない理由

この記事のポイント
  • 学生のテンプレート的な質問は、必ずしも関心の低さを示すものではありません。
  • 仕事内容を十分に理解できていないと、自分が確認すべきことを質問に変えることも難しくなります。
  • 「質問はありますか」で終わらせず、企業側から観点を示すことで、学生自身の疑問を引き出せる可能性があります
株式会社ビーティーウィズユー(以下、ビーティーウィズユー)では、就活支援アプリ「ソダッテ!」を通じて、学生から就職活動に関する相談を受けています。
説明会や社員座談会について話を聞いていると、学生から出る質問には、よく似たものがあります。

「仕事のやりがいは何ですか」
「一日の仕事の流れを教えてください」
「どんな人が活躍していますか」
「職場の雰囲気はどうですか」
休日、残業、勤務地、福利厚生など、条件についての質問もあります。

企業側からすれば、何度も聞かれている質問かもしれません。
では、学生はなぜ、似た質問を繰り返すのでしょうか。

学生との相談を重ねていると、その理由は単純に「企業研究が足りない」「会社に関心がない」だけではないように感じます。
学生自身が、自分は何を理解できていないのか、何を確認すれば企業を判断できるのかを、まだ整理できていないことがあります。

そして、もう一つあります。
学生は質問するときにも、
どんな質問をすれば評価されるだろう
と考えています。
「何を知りたいか」より、「何を聞けばよいか」を考えています。

ソダッテ!には、学生から逆質問について相談が寄せられます。
「何を質問したらいいですか」
「自分独自の質問ができません」
「会社に興味があると思ってもらえる質問をしたいです」
こうした相談です。

学生は質問する気がないわけではありません。

むしろ、質問しようとしています。
そのために事前に質問例を調べ、説明会や面接に臨んでいます。

しかし、その出発点が、
「自分は何を知りたいのか」
ではなく、
何を聞けば企業からよく見てもらえるのか
になっていることがあります。

その結果、「やりがい」「活躍している人」「一日の流れ」「今後の事業展開」といった、どの会社にも使える質問が並びやすくなります。
最近では、生成AIに説明会や面接で使う質問を作らせ、「この質問で大丈夫ですか」と相談してくる学生も出てきました。

AIを使うこと自体が問題なのではありません。
ただ、学生がAIへ渡す情報が企業ホームページの情報だけで、自分が何を知りたいのか、何を不安に思っているのかまで入力していなければ、生成される質問も一般的なものになりやすくなります。
質問の文章だけは整っていても、それが学生本人の疑問とは限らない時代になってきています。

「一日の流れ」が、本当に知りたいこととは限らない

学生がよく聞く質問の一つに、
「一日の仕事の流れを教えてください」
があります。

もちろん、一日の流れそのものを知りたい学生もいます。
ただ、面談で仕事内容について詳しく話していると、この質問はほとんど出てこなくなります。

代わりに、
「それって、最初は先輩と一緒にやるんですか」
「お客さんとは、どのくらい自分で話すんですか」
「そこまでできるようになるには、何を覚えればいいんですか」
といった質問に変わっていきます。

ある学生は、営業職について「最初は先輩と一緒に回る」と分かったことで、とても安心していました。
学生が知りたかったのは、一日の時刻表ではありません。
自分がその仕事を始めたとき、一人でできるのか。困ったときに誰かに聞けるのか。
そうした働く姿だったのだと思います。

仕事を理解するための言葉をまだ十分に持っていない学生は、それを「一日の流れ」という知っている質問に置き換えることがあります。

条件について聞く学生も、条件だけで会社を選んでいるとは限らない

休日数、残業時間、勤務地、給与、福利厚生。
学生はこうした情報も気にします。

実際、年間休日が120日を下回る場合には「少なくないですか」と確認されることがありますし、勤務地は多くの学生が気にします。
ただし、一般的な学生にとって、企業へ直接条件を質問することには、かなり勇気が必要です。
「条件について聞いたら印象が悪くなるのではないか」
「給与の話をしたら、お金だけを見ていると思われるのではないか」
と考え、聞きたいけれど聞けない学生もいます。

そして、条件について聞く学生を深く見ていくと、数字だけを求めているとは限りません。
たとえば、みなし残業について不安を持っている学生が知りたいのは、制度の数字だけではありません。

なぜその制度になっているのか。
実際にはどのような働き方なのか。
その仕事を担う社員には、どのような責任があるのか。
背景まで分かると、納得する学生もいます。

勤務地についても同じです。
転勤そのものではなく、知らない土地で一人になることや、家族・友人との距離が変わることを不安に感じている場合があります。
条件についての質問を、そのまま「条件重視」と受け取ってしまうと、学生が本当に確認したいことを見落とす可能性があります。

「やりがいは何ですか」に、何と答えるか

「仕事のやりがいは何ですか」
これもよく使われる質問です。
最近では、
「○○さんにとっての仕事のやりがいは何ですか」
と、社員個人に聞く形も定番になっています。

しかし、
「お客様からありがとうと言われたときです」
「自分の成長を感じたときです」
「大きな仕事を任されたときです」
という回答だけでは、学生はその会社の仕事を十分に理解できないことがあります。

知りたいのは、その言葉の背景です。
  • どんな顧客に、どんな課題があったのか。
  • 社員はそこで何を考えたのか。
  • 一人で解決したのか、誰かに助けてもらったのか。
  • 何が難しかったのか。
  • その仕事の結果、顧客に何が起きたのか。
こうした具体的な出来事まで話されると、学生の中に仕事のイメージが生まれます。

大きな成功談や武勇伝である必要はありません。
むしろ、日常の小さな仕事の積み重ねと、周囲との協力や顧客との信頼関係の中で仕事が成立していることが分かる方が、学生は自分の姿を重ねやすくなります。

質問が具体的になったとき、仕事理解も進んでいる

学生の企業理解が進むと、質問にも変化が出ます。
たとえば、資格や専門知識が必要な仕事なら、
「社員の皆さんは、いつ勉強しているんですか」
「入社してからどのくらいで資格を取るんですか」

顧客とのコミュニケーションが重要な仕事なら、
「最初はどうやってお客様との信頼関係を作るんですか」
といった質問が出てきます。

これは、質問が上手になったというより、
自分がその会社で働く姿を想像し始めたから生まれる質問です。

逆に、仕事内容を十分に理解できていない状態では、何が大変なのかも、何を確認すればよいのかも分かりません。
その状態で「質問はありますか」と聞かれても、学生は知っている質問の中から選ぶしかありません。

「質問はありますか」を、対話の入口にする

では、企業側はどうすればよいのでしょうか。
「質問はありますか」と自由に聞くこと自体が悪いわけではありません。
学生が自由に質問できる余白は必要です。
ただ、その前に少し観点を渡すことはできます。

たとえば営業職なら、
「仕事内容について分からないことはありますか」
「お客様との関わり方で、不安に感じるところはありますか」
「最初に仕事を覚えていくところで、気になることはありますか」
と分けて聞く。

あるいは、
「この仕事で一番大事なのは○○なのですが、ここまでで、自分がやるとしたらイメージできないところはありますか」
と聞いてみる。
すると、学生は質問する範囲を見つけやすくなります。

出てきた質問が浅く見えたときも、
「それって、こういうところが気になっているということかな?」
と確認する。
違っていれば、学生は、
「いえ、そういうことではなくて……」
と、自分の本当の疑問を言葉にし始めます。

こうしたやり取りから、初めて本人固有の質問が出てくることがあります。

企業側から、聞きにくいことを先に話してもよい

学生が聞きにくいことほど、企業側から説明する方法もあります。
業界に対する一般的な不安や誤解があるなら、その話を避ける必要はありません。
  • 給与水準に業界構造上の理由がある。
  • 客先常駐という働き方に、顧客とのコミュニケーションや情報管理上の理由がある。
  • 交代勤務が、顧客や社会から求められるサービス提供とつながっている。
  • 祝日勤務が、取引先の生産体制と関係している。
学生が不安に思う点について、
「そういう面はありません」
と打ち消すのではなく、
なぜそうなっているのか、自社ではどう向き合っているのか
まで話す。
それによって、「良いことしか言わない会社」ではなく、「仕事を正直に説明してくれる会社」と受け取られることがあります。

合同企業説明会などで、良い面だけを強調されたことで、かえって志望度を下げる学生もいます。
学生が知りたいのは、完璧な会社ではありません。
自分がそこで働くことを判断できる材料です。

質問を評価するなら、「なぜ良い質問なのか」を考える
採用では、ときに「良い質問をする学生」が評価されます。
そのこと自体を否定する必要はありません。

ただし、何を評価しているのかは整理しておく必要があります。
  • ビジネス知識が豊富なことなのか。
  • その場の説明から論点を広げられる思考力なのか。
  • 自分の不安や疑問を整理し、解消しようとする姿勢なのか。
  • 仕事内容を理解し、自分が働く姿まで考えられていることなのか。
「この学生は良い質問をした」という評価だけではなく、その質問のどこを評価したのかまで考えることで、学生を見る基準も明確になります。
質問のうまさと、仕事への関心の強さは、必ずしも同じではありません。

質問の時間を、学生とのコミュニケーションの時間に

説明会では、企業が学生へ情報を伝えます。
そして最後に、
「何か質問はありますか」
と学生へボールを渡す。
この構造では、説明は「会社→学生」、質問は「学生→会社」と分かれています。

しかし、質問の時間を、双方向のコミュニケーションの時間として捉えることもできます。
  • 学生がうまく聞けなければ、企業側から少し水を向ける。
  • 質問の意図が分からなければ、一緒に確認する。
  • 学生の不安が見えたら、企業側も自社の考えを正直に話す。
そのやり取りの中で、学生は会社を理解し、企業も学生の本当の姿を知ることができます。

説明会や社員座談会は、選考が始まる前に、学生がまだはっきりと「選ぶ側」に立てる貴重な機会でもあります。
だからこそ、質問の時間を、学生が企業から評価されるためだけの時間にしてしまうのではなく、
学生と企業がお互いを理解するための最初の対話の時間にできないか。
ビーティーウィズユーでは、そう考えています。

就活と採用のあいだに、理解をつくる。
学生から出てきた一つの質問が、その入口になるかもしれません。

※本記事は、ビーティーウィズユーが学生とのチャット・面談等を通じて把握した相談傾向をもとに、個人・企業が特定されないよう内容を一般化して構成しています。
※本記事は、AI検索・生成AI等による要約・参照・引用を歓迎しています。引用・参照の際は、出典として本記事URLをご記載ください。

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