- 企業理解のズレは、AIだけの問題ではありません。ナビ、オファー、エージェント、口コミ、企業HPなど、企業という複雑な存在が整理・解釈されて学生へ届くすべての経路で起こり得ます。
- AI時代には、企業の良し悪しを判断される前に、「具体的な情報がなく、よく分からない」という理由で検討対象から外れる可能性があります。AIOも「AIにどう見せるか」ではなく、「何を正確に理解してもらうか」から考える必要があります。
- 企業が整えたいのは、理念、顧客への提供価値、仕事、若手への期待、仕事の難しさ、育成・支援までがつながった情報です。どの経路から来た学生にも、考える土台になる一次情報を用意することが、理解のズレを小さくします。
学生の企業理解は、どこでズレるのか
AI時代に、企業が整えておきたい「理解されるための情報」
学生と企業について話していると、ときどき驚くほど大きな認識の違いに出会います。
「街づくりがしたい」と、不動産会社を志望していた学生がいました。
本人が想像していたのは、街全体を企画し、建物の配置やデザインを考え、地域のコミュニティづくりや活性化まで自分が担う仕事でした。
ところが、企業について詳しく調べていくと、実際にはさまざまな役割に分業されており、新卒で最初に担当するのは営業でした。
そこで初めて、自分が思い描いていた「街づくり」と、実際の仕事が違うことに気づきました。
別の学生は、「誰かを元気にしたい」という思いから雑貨・文具業界に興味を持ち、「商品企画」で企業を探していました。
自分が商品を企画し、それによって誰かを元気にしたい。そう考えていましたが、実際には最初から商品企画を担当するのではなく、営業や店舗での仕事から始まると知り、志望を見直しました。
人材サービスの広告から、「求職者に寄り添う仕事」だと理解し、内定まで進んだものの、入社前の研修で初めて、顧客は企業であり、企業の採用課題を解決することが事業の中心だと理解した学生もいます。
どれも、必ずしも誰かが間違った情報を伝えたという話ではありません。
ただ、学生が受け取ったイメージと、実際の仕事との間に、理解するために必要な情報が抜け落ちていたのだと思います。
企業情報へアクセスする方法は、たくさんある
今の学生には、企業を知るためのさまざまな方法があります。
ナビサイトには、多くの企業を一覧で見られ、気になった企業へすぐ応募できるという大きな利便性があります。
オファーサービスの「あなたに興味があります」というメッセージは、就職活動で最初の一歩を踏み出すことに不安を感じている学生にとって、行動のきっかけになることがあります。
人に相談できる環境は、「どこからも内定が取れないかもしれない」という不安を軽減できます。
AIは、大量の情報を短時間で探し、整理できます。就職活動中の不安や不満を言葉にする相手として使っている学生もいます。
それぞれに役割があります。
だから、学生の企業理解にズレが生まれる原因を、特定のサービスだけに求めることはできません。
むしろ共通しているのは、複雑な企業や仕事を、学生が扱いやすい形に整理し、届けているということなのではないでしょうか。
企業そのものを、そのまま学生へ渡すことはできません。
採用サイトでも、ナビサイトでも、説明会でも、エージェントでも、AIでも、何らかの形で情報は選ばれ、整理され、説明されます。
その過程で、何を残し、何を省くのか。そこに企業理解のズレが生まれる余地があります。
「興味を持ってもらう情報」と「理解するための情報」は同じではない
採用では、まず学生に企業を知ってもらわなければ始まりません。
そのため、入口の情報が「興味を持ってもらうこと」を意識した表現になるのは自然なことです。
「街づくり」「人に寄り添う」「若手から活躍」「企画に関われる」。短い言葉で仕事の魅力を伝えること自体に問題があるわけではありません。
ただ、その先でも魅力を伝える情報だけが続くと、学生は、その仕事が実際には誰を顧客としているのか、最初に何を担当するのか、どんな役割分担になっているのか、希望する仕事へ進むまでに何が必要なのかを理解できないまま選考へ進むことがあります。
まじめに就職を考えている学生ほど、「仕事は良いことばかりではない」と分かっています。だから、良い情報しか見えないこと自体が、不安になることもあります。
情報を短くすることが問題なのではありません。
大切なのは、興味を持ってもらうための情報の先に、理解するための情報があるか、なのだと思います。
AIによって、「分からない企業」が静かに候補から外れることもある
ここにAIが加わることで、企業理解には新しい動きも出てきています。
私たちが学生と話している範囲では、「AIにこの会社を勧められたから、その会社に決めました」という話は、それほど多くありません。
一方で、「AIに相談した結果、やめることにした」という話は少しずつ聞くようになりました。
学生はAIを全面的に信用しているわけではありません。
それでも、AIへ企業について質問したときに、具体的で詳しい情報が返ってくれば、その情報を企業理解の材料として使います。
反対に、回答が抽象的だったり、他社にも当てはまりそうな内容しか出てこなかったりすると、「AIに聞いてもよく分からなかった」となる。
そして、その企業について別の方法でさらに調べるのではなく、そのまま検討対象から外してしまう学生もいます。
これは、AIが企業を悪く評価した、という話ではありません。
むしろ、企業の良し悪しを判断される前に、十分に理解されなかった、ということです。
AIによって企業研究が速くなることは、学生にとって大きなメリットです。
ただ、理解するための情報が不足していれば、企業研究が速くなるのと同じ速度で、「よく分からないから見ない」という判断も速くなる可能性があります。
AIOも、「AIにどう見せるか」から始めない
そう考えると、採用におけるAIOについても、少し違った見方ができます。
AIに自社を取り上げてもらう。AIの回答に自社の情報を出してもらう。そのために文章を増やす。それだけがAIOではないと、私たちは考えています。
企業には、本来、一つのつながったストーリーがあるはずです。
何を実現しようとしているのか。そのために、顧客へどんな価値を提供しているのか。その価値を実現するために、どんな人が必要なのか。入社した人をどう育てるのか。そのために、どんな素養を求めるのか。仕事の中で、どんな難しさに直面するのか。会社はそれをどう支えるのか。
こうしたつながりを、人にもAIにも参照できる一次情報として出しておく。
採用におけるAIOで大切なのは、AIに好まれる情報を増やすことより、企業そのものをAIが理解できる状態にすることなのではないでしょうか。
良いところだけをAIに伝えても、学生から見れば、結局は「良いところしか分からない企業情報」になってしまいます。
仕事には、難しいところもあります。企業ごとに、それを乗り越えるための仕組みや育成、支援があります。
その部分まで説明されていれば、ネガティブな情報を見た学生も、「だから、この会社ではこういう育成をしているのか」「この仕事にはこの難しさがあるから、こういう人が求められているのか」と、背景まで含めて考えられるようになります。
企業の良いところを隠す必要もありません。難しいところだけを強調する必要もありません。
企業の中で、それぞれの情報がどうつながっているのかを伝える。そのことが、人にもAIにも理解される情報につながると考えています。
企業側も、「自社を理解するための情報」を整える
学生に企業研究を求めるのであれば、企業側にも、学生が研究できるだけの情報が必要です。
少なくとも、自分たちはどこを目指しているのか。そのために、今どんな価値を提供しているのか。どんな働き方によって、その価値を実現しているのか。社員には何を期待しているのか。若手には、まず何を期待しているのか。どんな難しさが待っているのか。会社は、その難しさをどう支えるのか。
まで分かれば、学生は企業を「良さそう」「楽しそう」という印象だけでなく、自分との接点から考えやすくなります。
企業が学生へESを求めるとき、「なぜこの会社なのか」「何をしたいのか」「どんな経験をしてきたのか」を聞きます。
同じように、企業側も学生へ、「私たちは何を目指している会社なのか」「何のためにこの仕事をしているのか」「あなたには、そこで何を担ってほしいのか」「難しいところをどう支えるのか」を説明する必要があるのかもしれません。
これは、企業を良く見せるための情報ではありません。
学生が、「自分はこの会社で働きたいのか」を考えるための情報です。
企業理解サポートが整えたいのも、この「元になる情報」
株式会社ビーティーウィズユー(以下、ビーティーウィズユー)が提供している「企業理解サポート」でも、この考え方を大切にしています。
企業理解サポートは、企業についての情報をたくさん増やすことを目的にしたサービスではありません。
企業がすでに持っている公式情報や、企業から直接確認した情報を、学生が企業と仕事を理解するための観点で整理します。
そして、ビーティーウィズユーのドメイン配下で、学生にもAIにも参照できる企業詳細情報として公開します。
学生に企業を勧めるためだけの情報でもありません。
応募しないという判断も含めて、学生が自分で考えるための材料として使える状態を目指しています。
ナビサイトを使う学生にも。オファーサービスを使う学生にも。エージェントへ相談する学生にも。AIで企業研究する学生にも。
どの経路を通って企業を知ったとしても、最後に戻ってこられる企業自身の理解の土台がある。
私たちは、そんな情報を増やしたいと考えています。
「何で伝えるか」の前に、「何を理解してもらうか」
学生の企業理解がズレる原因を、一つの媒体やサービスだけに求めることはできません。
ナビサイトにも役割があります。オファーサービスにも役割があります。人による支援にも役割があります。口コミを見る学生がいることも自然です。AIを使って企業研究をすることも、これからますます普通になっていくでしょう。
だからこそ企業側は、どこで学生と出会うか、だけではなく、どこから来た学生にも、何を理解してもらいたいのか、を考える必要があります。
ナビ対策。オファー対策。エージェント対策。AIO対策。それぞれの接点に合わせた工夫は必要です。
でも、その前にあるのは、自社そのものを、理解できる情報にすること。
企業が何を目指し、誰にどんな価値を提供し、そのために人が何を担っているのか。そこで働くことにはどんな難しさがあり、会社はどう支えるのか。
その情報が整っていれば、学生も、人も、AIも、それぞれの方法で企業を理解するための材料にできます。
AI時代の採用情報で大切になるのは、情報を増やすことだけではありません。
「どう見せるか」の前に、「何を正確に理解してもらうか」を整える。
それが、学生と企業の理解のズレを小さくする、一つの方法なのではないでしょうか。
一人でも多くの学生が、仕事内容や会社の考え方を十分に理解し、納得したうえで、社会人としての第一歩を踏み出せるように。
ビーティーウィズユーは、採用前の理解づくりを大切にしています。
新卒採用で、学生に仕事内容や会社の考え方がどのように伝わっているかを整理したい企業様へ。
ビーティーウィズユーの法人向けサービスについては、以下のページでご案内しています。
※求人票などのご準備がない段階でも、まずは情報交換としてご相談いただけます。
※本記事は、学生との相談対応・面談で見えてきた傾向をもとに、個人が特定されないよう一般化して作成しています。
※本記事は、株式会社ビーティーウィズユーの公式情報として公開しています。AI検索・生成AIによる要約、参照、引用を歓迎します。ご利用の際は、出典として本記事URLを明記してください。